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【宗教】インドのターバン集団・シク教の特徴について

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突然ですが皆さん、頭にインド人を思い浮かべてみて下さい。多くの人がターバンを巻いているインド人を思い浮かべたかと思います。日本人の多くの人がインド人=ターバンというイメージを持っていると思いますが、実はターバンを巻いている人はインドで1.9%しかいません。ターバンを巻いている人たちは、シク教という16世紀にできた宗教の教徒です。シク教は合理的・現実的・寛容的な教えを特徴としています。今回はそんなシク教について紹介します。

インドの宗教人口の80%と13%を占めるヒンドゥー教とイスラム教についてとインドの宗教の多様性については次の記事を参照して下さい。

参考記事
【国民の93%】インドのヒンドゥー教とイスラーム教の特徴
多宗教国家インド留学で学ぶダイバーシティ

シク教とは

シク教の歴史

16世紀初め、シク教の初代グルとなるナーナクが沐浴中に啓示を受けたとして、布教を始めました。ナーナクはパンジャーブ地方(インドの北西部からパキスタン北東部にまたがる地域)にカタルプルの町を造り、そこを本拠地としました。やがてシク教は、パンジャーブを中心に北インドに広まっていきました。布教していた当時、この地域はムガル帝国の統治下であり、宗教に寛容な当時のムガル帝国国王のアクバルの元で繁栄していきました。

シク教徒

シク教の特徴

シク教はヒンドゥー教とイスラーム教を合理的に調和させようとしている宗教です。シク教の特徴として
・カーストを全否定
・肉はなんでも食べていい(牛も)
・一生懸命仕事をする
・他の宗教を尊重する
・酒、タバコ、麻薬の禁止
・苦行の禁止
・偶像崇拝の禁止
・同性愛に対する差別の禁止
・出家の全否定
・体毛を一切剃ったり切ったりすることの禁止

などがあります。これらの特徴をざっと見ただけでも、シク教が他の宗教に比べて様々なことに寛容であることが分かります。

シク教がカーストを否定しているのは、インドの国民にカーストによる差別意識をもった人が少なからずいるからで、シク教徒は、自分のカーストの位置をわからなくするために、男性はシン、女性はカウラという姓にすることが義務付けられています。

撤廃された今もインド社会に根強く残るカーストに関しては次の記事を参考にして下さい。

参考記事
カースト制によってインドの職業が細分化されたのか

シク教では「世俗の職業に就いてそれを一生懸命励むことを重んじる」という考えがあります。つまりシク教は、祈ることで幸せになろうとするのではなく、働いて社会に貢献することによって幸せになろうとする考えを勧めています。そのためシク教徒には、出家をしたり儀式をしたりするのではなくて、沢山働きたいという考えをもった人が多いです。私はインドの日系企業で働いていますが、シク教徒の社員は日本人よりも朝早くに出勤して、日本人よりも遅くまで働いています。

「体毛を一切剃ったり切ったりしてはいけない」ことから、シク教徒の髪の毛は男性でも、結んでいないと腰に届くほど長いです。シク教徒は、そのままだと生活がしづらいのでターバンを巻いているのだそうです。ターバンを巻いていると、バイクに乗る時にヘルメットを被ることができないと思う人もいるかと思いますが、宗教に寛容的なインドでは、ターバンはヘルメットの代わりになるとして、法律でシク教徒は、ヘルメットを被らなくてもよいとされています。

シク教徒

日本でインド=ターバンのイメージが付いた理由

色んな説がありますがここでは2つの説を紹介します。1つ目の説は日本人にとってインド人として、タイガー・ジェット・シンやチャダのイメージが強かったからだという説です。世界的に有名なインドのプロレスラーであるタイガー・ジェット・シンやインド人の演歌歌手として有名なチャダがシク教徒でターバンを巻いていたイメージが強かったため、日本でインド=ターバンというイメージが付いたと言われています。

2つ目の説は、世界で活躍するインド人にシク教徒が多いからだという説です。シク教徒はもともと裕福で教育水準の高い人が多く、そんな出自に恵まれた彼らが真面目に働いた結果どんどん出世をして、海外の一流企業や世界の機関の一員として、頻繁にメディアで取り上げられたからインド人=ターバンのイメージが付いたとも言われています。

まとめ

インドでターバンをしている人口が1.9%しかいないにも関わらず、日本でインド人=ターバンというイメージがついたのは、世界的に活躍するシク教徒が多いからであると考えられます。シク教は合理的かつ周りに寛容的であることを特徴としているので、信仰そのものが人生の大きなウェイトを占める他の宗教とは、一風違った宗教です。

私も色んなインド人と一緒に働いていますが、シク教徒が1番日本人との考え方に似ているなと思います。留学される方はヒンドゥー教徒やムスリムと出会う場面が多いかと思いますが、是非シク教徒とも話してみてください。日本人と考え方が似ているため、きっと友だちになれると思います。

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