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インドの砂漠はこうやって楽しめ!ジャイサルメールのバイク旅

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呼ばれた。私は呼ばれたのだ。そう言い聞かせて早10日。私はインドの砂漠を駆け抜けていた。そう、バイクに乗って。

インド砂漠の都ジャイサルメール

私が最初に向かったのは世界遺産タージマハルを擁するアグラではなく、ブルータウンとして有名なジョードプルでもなく、ましてやインドの玄関、首都デリーなんて見向きもせずに西へ向かった。私が目指したのは、インド西部に位置する砂漠都市、ジャイサルメール。ジャイサルメールは他の有名観光地に比べ知名度は低いものの、インド好きの中では知る人ぞ知る穴場スポットなのだ。

首都デリーを17時30分に出発して電車に揺られること17時間と30分、到着したのは昼前の11時30分だった。日本からの空路と列車での長旅で流石に疲れを感じていたが、待ち焦がれたインドデビューの時が迎え、私の体は震えていた。ついに始まる、そう意気込んで踏み入れたジャイサルメールは、ゴールドシティと呼ばれる通り全てが黄金でコーティングされているようで、何もかもがキラキラして見えた。、もちろん初の海外旅行という興奮と大きな不安がなかったわけではない。でもそれ以上に胸の高まりを感じた。ここから俺の旅が始まるんだ。

ラクダや牛と何気なくすれ違い”インドに来てやった感”を纏う自分に酔いながらジャイサルメールの町をねり歩くこと15分。あるインド人が私の前に現れた。浅黒く焼けた肌に白いTシャツ、淡い青のデニムの格好をした彼は自らをデューと名乗った。デューはラクダサファリというジャイサルメール名物のラクダに乗って砂漠を散歩するアクティビティのガイドを仕事にしているいう。私の頭に観光ガイド本の一文が頭をよぎった。「ジャイサルメールではラクダサファリが観光名物として有名ですが、中には高額なガイド料を要求してくる悪徳な業者も存在するため注意しましょう。」来ましたかと。到着15分で早速ジョーカーを引きましたかと。でもね、日本人だってそんなに甘くないんですよ。こちとら伊達にガイドブック5冊、ウェブサイトでのインド研究30時間の準備をしてここに来てるわけじゃないんですよ。と思っていたはずが、デューの朗らか笑顔とチャイ(インドのお茶)を奢ってくれるという一人旅行の寂しさに沁みる何とも親切な対応に誘われ、私は彼についていくことにした。

チャイを飲みながら私はデューを色々な話をした。ジャイサルメールのことはもちろん、お互いの家族、友達、故郷…いつの間にか1時間が過ぎ、私はすっかり彼に心を許していた。ジャイサルメールでの一番の目的がキャメルサファリだった私は、デューに砂漠の案内をお願いしようと決めていた。キャメルサファリは昼間の暑い中、真っ赤な太陽に照らされながらラクダで周遊するのも最高だが、クライマックスはナイトサファリと言われる夜の砂漠をラクダで散歩し、そのまま砂漠で一晩を過ごすというプランだ。話を聞くだけでたまらないだろう。下調べ十分な私は夕焼けが美しく見える時間が18時頃というのも知っていた。デューにそろそろ砂漠へ、と伝えた瞬間、彼の顔が一変した。

「ラクダ?は?w何言っちゃってんの?ww」

いや、でもジャイサルメールといえばラクダ…と涙目な私。

そんな動揺する私を気にも留めず彼は畳み掛けるように言った。
「ラクダなんてもう古いんじゃ!時代はこれや!」

インド人とバイク

・・・?

バイクですやん。ホンダの往年の名車、Discoverだよ、って。いや、車種とかどうでもよくてジャイサルメールってラクダですやん。乗り物違いですやん。

この日、ジャイサルメールの砂漠での夕暮れを見るために何日待ち焦がれただろうか。荒川の河川敷から眺めた夕日と重ねて思い描いたジャイサルメールの夕日を、ラクダの背中から見る夕日をどれだけ待ち焦がれただろうか。その積年の思いをこの目の前のインド人に消されそうになっている。しかし、デューのホンダ車に対する思いは私の夕日への思いを遥かに凌駕するものがあった。そして、私はついに乗ってしまった。ラクダではなくDiccoverの背中に乗ってしまったのだ。Discoverの背中は想像していたよりも遥かに柔らかく、快適な乗り心地でラクダの背中を彷彿させるには十分な代物だった。私は走った。子供のように街を駆け抜け、野鳥たちを従え、風のようにジャイサルメールを駆け抜けた。夢中だった。本田宗一郎のDNAが流れているDiscoverはやはり最高だったんだ。

どれくらい走っただろうか。気がつけば私は砂漠の中にいた。

バイクで砂漠

砂漠は静寂に包まれていた。周りを見渡すと何頭かのラクダが遠い目をして夕日が砂漠の水平線に落ちていくのを眺めていた。そして、そこにはあの男が座っていた。

bike3

彼はゆっくり立ち上がると私の方に歩いてきた。彼は一切れの紙を差し出した。そこにはこう書かれていた。

「Bike Rental 50000Rs」

ジャイサルメール 夕日

END

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